海賊盤といっても、拙の場合は「ライヴ盤」1本勝負で、彼らのライヴを聞きたいがために海賊盤を買いあさっていたわけです。ただし当時は地方在住の人間にとっては、海賊盤が自由に買える環境はなく、またお金もなかったので、ファンクラブの会報の「BOOTLEG REVIEW」を眺めながら、これはと思う1枚を西新宿のKINNYの通販で買うわけです。送金してからレコードが届くまで1ヶ月ほどかかったのを思い出します。
当時はストーンズが日本にやって来るなんて夢にも考えられなかった時代でした。80年代も後半に入ると、THE SWINGING PIGなどの欧州の優良ブートレッガーが登場し、今までからは想像できないレベルの良質なライヴ盤が安価で発売されだしました。またそれらを扱う通信販売業者も新たに現れ、宅配便などの普及で配達も早くなり、ストーンズの海賊盤を取り巻く環境が急激に改善されだしました。
今まで音の悪い海賊盤を飽きもせず聞き狂っていたこと、苦労して入手したチケットのこと、いろんなことが脳裏を掠めながら歩く2月14日、小雪のちらつくストーンズ来日公演初日の東京ドームの光景は、これからも忘れることはないでしょう。
そのとき買ったポカリスウェットがこの写真。
宝物です。