shadow_pmcのブログ (旧 ビートルズ徒然草)

ビートルズのレコードの重箱の隅を突っつくブログです。

THE BEATLES 「SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」 オーストラリア 高音質盤 AUDIO.5

名盤の誉高いビートルズのサージェントペパーズですが、それ故に昔からさまざまな方法を駆使した特別に音の良いレコードをプレスして高音質盤として発売されてきました。そのすべてが限定盤で販売枚数、販売方法などが限定され、今となってはその希少性もありとんでも無い高値をよんでいるのはご存じのとおりです。

昨年その高音質盤の1枚、オーストラリア(AUS)盤のいわゆる「AUDIO.5」と呼ばれる超希少盤のマスターテープが大手オークションハウスに出品され100万円近くで落札されました。

これが高いか安いかは別として、落札したのがどうやらビートルズの有名ディーラーであり研究家のAndrew (PARLOGRAM主宰者)のようで、早速PARLOGRAMのYoutubeチャンネルで紹介されています。

Unboxing The Sgt. Pepper's Master Tape - A Genuine Beatles Holy Grail - YouTube

そもそもAUDIO.5のマスターテープはUKオリジナルのステレオマスターではなく、EMIがオリジナルの15ipsテープを30ips(78cm/sec)にコピーしたものです。日本でも「アビイロード」のプロユース盤リリースのために本家EMIから78cm/secテープを提供してもらった状況と似ていますね。

Juliens Auctionのサイトより

AUDIO.5はハーフスピードマスターなので、このテープとラッカーのカッティングスピードを共に半分に落としてして時間をかけてカッティングしたという事でしょう。わずか500枚弱しかプレスしなかったAUDIO.5、で、肝心の音質はどうなのか? サージェントペパーズの高音質盤にはUS盤ではMoble Fedilty社のMFSL盤とその上位盤のUHQL BOX盤(拙者が見た限りマトは同じ)、本家UK盤ではNimbus Super Cut盤、そしてこのAUS盤AUDIO.5。前3者がオリジナルマスター使用、後者が2ndジェネレーションマスター使用。これもPARLOGRAMのYoutubeチャンネルでAndrewが最も音がよいサージェントペパーズを探っています。

The Best Sounding Beatles Vinyl Ever? | 1983 Australian AUDIO 5 Sgt Pepper's - YouTube

彼はこのAUDIO.5こそ最高の1枚と評価しています。

拙者はUK盤オリジナルも含めてすべて聴いたことがあります。Hi-Fiな音(ワイドレンジ、ダイナミックレンジも広い)的には一聴してNimbusに軍配があがりました。しかしHi-Fiな音と良い音は違います。音の好みも人それぞれ。再生環境や音量によっても異なります。なにせ超希少盤でとても全てをコレクションできませんので、これらを一堂に聴き比べるイベントなどあれば楽しいでしょうね。

なおこのテープはのちのAUS通常盤やレッドヴィニール盤(PCSO-7027)にも使用されているようですが、マトリクスが異なり、リカット(通常カッティング?)したラッカー盤を使用しているので残念ながら同じ音は味わえません。