shadow_pmcのブログ (旧 ビートルズ徒然草)

ビートルズのレコードの重箱の隅を突っつくブログです。

ビートルズ USオリジナル盤 CD化への道

ビートルズの現役時代、アメリカ(US)ではキャピトルレコードがその販売力を背景にイギリス(UK)のオリジナル盤やオリジナル音源を独自の編集、マスタリングしてアメリカ仕様として発売されていたのは有名な話。

おかげでUK盤とは別ミックスの曲がたくさん存在し、我々マニアを楽しませてくれたわけですが、1987年からのCD化を機に音源がUK盤に統一されました。

しかし2004年に入りUSオリジナル音源が復活。まずはキャピトル・アルバムス Vol.1(64 BOX)として「Meet The Beatles」「Second Album」「Something New」「Beatles' 65」が、2006年に第2段でキャピトル・アルバムス Vol.2(65 BOX)が「Early Beatles」「 Beatles VI」「Help」「Rubber Soul」がステレオとモノラルの2 in 1、紙ジャケット仕様で発売。

Vol.1はBOXから取り出すと中の紙ジャケがポロリと落ちるというパッケージ構造上の問題、Vol.2は1部のアルバムがなんとステレオ音源をそのままモノラル化した、いわゆる”偽モノ”音源で発売という失態がありました。

みんなが待ちわびていた第3弾ですが、なかなか発売のアナウンスは無く、恐らく2009年のリマスタープロジェクトが進んでいたことが原因で、結局は3弾キャピトル・アルバムス Vol.3は発売されず、090909以降はビートルズの音源はリマスターステレオが標準に。

そんな中、2014年にアメリ上陸50周年を機には発売されたのが「THE U.S. BOX(The U.S. Albums)」。キャピトル・アルバムスシリーズでの既発タイトルに加えて、未収であったUnited Artist 盤の「A Hard Days Night」や「 Beatles Story」、1966年以降に発売された「Yesterday And Today」「Revolver」「Hey Jude」を加えた13枚組という仕様。

しかし最大の問題(不満)は、既発タイトルも含めて基本音源は2009年のリマスター音源を使用してしまったこと。つまりマニアが求めた「Yesterday And Today」「Revolver」というキャピトル別ミックスの宝庫の2枚に収録の別ミックスが陽の目を見なかったわけです。買うのをスルーしたマニアも多かったことでしょう。

目玉はブッチャーカバーとトランクスリーヴを復刻した「Yesterday And Today」のみ。これも輸入盤のみ各タイトルの単品発売があったので(Beatles Story以外)、拙者も単品買いしました。しかしそれから数年経って問題発生。このシリーズ、CDを入れてある半透明のビニール製の内袋が粗悪品で、CD面が化学反応を起こして劣化し、音飛びが発生するとう事態に(CDのビニ焼け問題)。たぶんBOX分も同じものが使われていると思われ要注意です。日本盤ボックスは日本製なので大丈夫と思いますが。

 

このように大変中途半端でいろんなケチがついたUSオリジナル盤のCD化でしたが、未CD化のキャピトル別ミックスが陽の目をみる可能性はあります。それは「Let It Be」まで来たリミックスプロジェクトは周年記念の枠がはずれ、年内からRevolverから遡ってリミックスされるという噂がありますので、これらのデラックスエディションにキャピトル別ミックスが収録される可能性は高いでしょう。

その時は「SGT. Peppers Lonely Club Hearts Club Band 」時のPenny Lane のトランペットエンディングのような音質劣化したソースではなく、ちゃんとキャピトルのマスターテープから収録して欲しいものです。