shadow_pmcのブログ (旧 ビートルズ徒然草)

ビートルズのレコードの重箱の隅を突っつくブログです。

サージェント・ペパーズ50周年記念 UK盤 MR. KITE!の話

ビートルズが8枚目のオリジナルアルバム 「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(UK:PMC7027/PCS7027)を発表して50周年を記念して、今年はこのアルバムネタで多いに盛り上がっております。10年前にも拙ブログで40周年の話題を描いたことを思い出します。
 
そこで、今回は久しぶりにUK盤のこのアルバムのレーベルネタをご紹介。
今月発売にレコードコレクターズ誌6月号にも多くのレーベル写真が載っていますね。
 
UKオリジナルプレスはモノラル、ステレオ共に
1.Yellow & Black ParlophoneのType3 (THE GRAMOPHONEリムでSOLD IN UK~のリマークあり)
2.Yellow & Black ParlophoneのType4 (THE GRAMOPHONEリムでSOLD IN UK~のリマークなし)
3.Silver & Black Parlophone
と続きます。
 
これらのレーベルを集めてよく観察していくと、他は全く同じなのに、
A面7曲目「BEING FOR THE BENEFIT OF MR. KITE!」が
①「KITE  !」(Eと!の間にブランクあり)
②「KITE!」 (Eと!の間にブランクなし)
の2つのタイプがあることがわかります。
(話がややこしくなくので、過去記事に紹介したようなフォント異なる例外レーベルはのぞき、レココレ誌に掲載されている通常レーベルについての話とさせていただきます)イメージ 1
左:①「KITE  !」(Eと!の間にブランクあり)        右:②「KITE!」 (Eと!の間にブランクなし)
 
まずステレオ盤。
1のY&BレーベルType3は「①のブランクあり」のみで「②のブランクなし」は確認できていません。
次に2のType4のレーベルになると「ブランクなし」が出現します。2種類が併存です。
次に3のS&Bレーベルも「ブランクあり」と「なし」が併存します。
 
次にモノラル盤
こちらは、1のY&BレーベルType3と2のType4は「①のブランクあり」のみで「②のブランクなし」は確認できていません。
ところがレーベル研究の上でも極端に市場に出回る数が少ないことで有名な、3のモノラルのS&Bレーベルで「ブランクなし」が出現します。2種類が併存です。
 
【 まとめ 】
                    ステレオ      モノラル
1.Y&BレーベルType3         あり        あり
2.Y&BレーベルType4         あり/なし     あり
3.S&Bレーベル              あり/なし     あり/なし   
 
なぜステレオType4やモノラルS&Bレーベルになって突然、新しいレーベルが出てきたのか?
当時、爆発的に増えてきたステレオ用のレーベルが足りなくなって、Type4用にレーベルを再印刷する際に、版を作る段階で間違ってブランクをとってしまった。その版も流用してモノラルのS&Bを作った、といったことろでしょうか?
 
拙者の研究・蒐集対象であるUK盤のレーベルですが、
他は全く同じなのに、些細な一部分だけが異なるレーベルが存在することが稀にあり、それが誤植やクレジットの変更の場合は、その部分だけが修正されて新たなレーベルが作り直されることが多いようです。
しかし今回のような2種類のレーベルが並行して流通し続けることは珍しく、レーベルの「系譜」を研究する大きな壁となって立ちはだかっていますが、こういったことも研究を続けていく大きなモチベーションになっています。