shadow_pmcのブログ (旧 ビートルズ徒然草)

ビートルズのレコードの重箱の隅を突っつくブログです。

WITH THE BEATLES UK STRERO ロゴなし エンボスジャケット

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以前の記事で、モノラルのロゴなし、エンボスジャケットをご紹介しましたが、今回は、ステレオのロゴなし、エンボスジャケットです。

このジャケット、氷春友さんの「In My Life Blog」(http://blogs.yahoo.co.jp/epiphon2003)でもご紹介されてますような、コーティングの上からロゴが印刷されているために、こすれて印刷の一部が消えているタイプもあるのですが、拙者所有のものはこすれた跡もなく、エンボスだけがきれいに残っているタイプになります。

中のレコードは、Yellow Parlophoneのタイプ1(THE PARLOPHONEリムでSOLD IN UK~のリマークなし)、マトが2、MoneyのクレジットがDominion。ジャケットもダーク・ジャケットであり、明らかに初期に発売されたタイプであり、60年代終盤に発売されたロゴなしジャケットとは完全に一線を画しています。

さて、何故このロゴなし、エンボスありジャケットが存在するのでしょうか?

特徴としては、
①ステレオとモノラルの両方に存在する。
②このタイプは「WITH THE BEATLES」以外では、今のところ発見されていない。
③圧倒的に現存数が少ない。
④製造工程が異なる(通常はロゴ部分も印刷された上でコーティングされるのでは?)

拙者は当初は印刷ミスと考えていましたが、印刷ミスがステレオとモノラルの両方に発生するとも考えにくい。

氷春友さんもご指摘のように、ステレオ、モノラル両方に対応できるように、ロゴの部分以外を共通で印刷しておき、受注があってからロゴだけを上から印刷したという事が考えられます。

この「WITH THE BEATLES」というアルバムは、前作「PLLEASE PLEASE ME」がバカ売れしたため、EMIは短期間に効率的に大量生産できる体制を構築する必要があったと考えられます。

その対策の一つとして、モノラルのレーベルが一部をのぞき60年代後半まで同じデザインが使われたのも、一度に大量に印刷したためとも考えられます。その一環としてこのステレオ/モノラル兼用ジャケット生産体制がとられようとしたが、表面の擦れによる脱色などの品質の問題で実用化できず、計画はおじゃんになったが、試作品レベルのものが、市場に早く供給する必要があったため、もしくは間違って、市場に出回った。以降は通常のステレオ/モノラル別の生産体制が継続された。

これはもちろん拙者の適当な憶測ですが、なにかとコレクター・ネタの多いのが、この「WITH THE BEATLES」。まだコレクター情報があるのですが、これはまた近いうちに。