shadow_pmcのブログ (旧 ビートルズ徒然草)

ビートルズのレコードの重箱の隅を突っつくブログです。

ビートルズUK盤コンプリート・ガイド その3

ビートルズUK盤コンプリート・ガイド」の増強改訂版が出ました。2011年の初版の情報修正とそれ以降の発売分も網羅したとの触れ込み。悩んだ 末に、発売後2ヶ月経って結局買ってしまいました

ビートルズのUK盤レーベルガイドがまとまった形で初めて世に出たのは1992年ころのMitch Scharoff氏の「The Beatles : Collecting The Original UK pressings 1962-1970」であろうと思われます。手作りでありながら、ほとんど情報が無かった時代にかなり突っ込んだレーベルバリエーションや情報が紹介されており、その後に出た大判の改訂版とともに重宝したものでした。(両方とも拙宅を探したのですが30年の時間の中で行方不明)

その後は、ビートルズのレコード研究の権威であるBruce SpizerがUS盤やアップル、そしてソロワークスの蒐集、研究をフルカラーでまとめたハードカバーの豪華本シリーズを立て続けに発売したものの、本家UK盤については、年4回発行のTBFC(東京ビートルズファンクラブ)会報のUK盤レーベル研究の連載記事が頼りでした。そのTBFCも2000年代に入り発行ペースが激減。ついに2007年に廃刊となり、ついに個人コレクターのホームページやブログのみが頼り、という時代に入りました。

その暗黒の時代に終止符を打ったのが2011年、先のBruce Spizer先生の「The Beatles For Sale On Parlophone Records」が、日本では本書が今までのレーベル研究を体系的に整理、ヴィジュアル化したガイド本というカタチで発売と相成りなりました。

蒐集対象が1970年までの拙者にとっては「The Beatles On Parlophone」が決定版なのですが、本書は日本語でしかも1970年以降のプレス分も網羅、そしてジャケットやインナースリーブまで子細な解説がある点で便利ですが、前者にくらべてレーベルバリエーションの抜け落ちや、「これ本当?」といった点も散見される点で不満はありました。

 

さて、その本書の増強改訂版。

昨年発売のLET IT BEのリミックス盤まで網羅。今秋発売のREVOLVERは情報のみ。Love Me Doのリンゴバージョンのマスタ―テープが「1982年から始まった発売20周年記念の再発作成のために旧録音テープを調べている時に偶然見つかった」という事実誤認は削除され、以前に拙ブログで指摘したレーベルも一部修正されていました。一方でこれも拙ブログでたびたび発信してきた新発見レーベルはほとんど反映されないなどレーベルバリエーションの抜け落ちの解消は不十分。入手は困難としても今まで通りCGでの再現できなかったのだろうか?また2014年のモノラル再発LPについては「デジタル・リマスタリングによる復刻版」と間違っている。。欲を言ってはきりがないが、著名な研究家やコレクターも協力しての一冊なので拙者としてはちょっと残念。厳しいことを言うようですがこれは期待が高かったという裏返し。現在入手できるレーベルガイドとしてはベストでありましょう。

 

最後に「捜索願い」

以前にも書いたのですが本書旧版の161ページ、改訂版の197ページのEP「The Beatles' Milion Sellers」(GEP8946)のリマークありで、タイトルが「BEATLES' GOLDEN DISC」ではなく正しく「BEATLES' MILLION SELLERS」と修正になったレーベルは本当に存在するんだろうか??情報をお願いします。