shadow_pmcのブログ (旧 ビートルズ徒然草)

ビートルズのレコードの重箱の隅を突っつくブログです。

ビートルズ/ブッチャーカヴァー(Butcher Cover)あれこれ

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一昔前、2000年頃までは、ビートルズの世界的レアアイテムといえば、このブッチャーカヴァーでした。
当時はレコード店で現物を見るのも稀で、あっても剥がし損ねのサードステイトが結構な値段で売られていました。
 
1995年頃からこのブッチャーカヴァのレプリカが出回り始め、結構精密な造りのものが1万円前後で売られ始め、拙者も喜んで買い求めました。
 
今では、ブッチャーカヴァを海外オークションサイトeBayで検索すると20枚前後は出品されています。
まあ、カヴァの状態次第ではいつでも買える状況です。
 
その後、UK盤オリジナル盤ブームで、GOLD STEREOやUKエクスポート盤、またAマークデモに人気が移ってきたとは言え、”本物の”ブッチャーカヴァのファーストステイトは1年に1度、市場に出るかどうかのウルトラレアアイテムです。
 
ファーストステイトと言えば有名なのが、「リヴィングストン・コピー」と呼ばれるブッチャーでしょう。
発売当時のキャピトルレコード社長、アラン・リヴィングストンが回収前のSTEREO盤を4枚、MONO盤を20枚を新品のまま(!!)箱に入れて持って帰った、という今で言うインサイダー取引事件っぽい伝説のブッチャーです。現在、このうちSTEREO2枚とMONO6枚がコレクターの手元にあるらしい。(レコードコレクターズ誌2005年1月号から)
 
現在のファーストステイトの市場価格はに状態の良いもので、STEREOが100万円、MONOでも50万円くらい、シールドならSTEREOが300万円超、MONOで150万円くらい、でしょうか?数年前に「何でも鑑定団」に出たMONOのファーストステイトが鑑定額125万円でした。
 
最近では拙者が買ったものより数段精巧なレプリカが市場に出回っていますが、さすがにこれを本物と騙されて買う人はいないでしょう。しかし、きれいに剥がされたサードステイトをファーストステイトと騙されて掴まされる可能性は十分あります。
 
だいたいサードステイトは、薬品を使ったり、蒸気をあててトランクカヴァを剥がすのですが、その時にどうしても、剥がし損ねて表面に傷がついたり、左右に筋が入ったり、ジャケットの天、底、背が裂けたり、裏面がかなり汚れたりします。またトランクを張り付けて上から押さえつけるため、右側に丸い吸盤の跡みたいないくつもあるものあり、一目でサードステイトとわかるものがほとんどですが、「剥がしのプロ」による完ぺきなサードステイトも稀に存在します。
 
そんな完ぺきなサードステイトとファーストステイトを見分けるコツは?
サードステイトはトランクカヴァを貼ったあとに大きさを揃えるために、上記のように上から押さえつけてジャケットの右側(レコード取り出し口)を数ミリ切り落とすため、おなじ工場で製造される通常盤よりも横幅が短い、と言われてます。これが決定的な見分け方になろうかと思われます。
 
しかし、これは実際に買ってみないとわかりませんよね。
騙されないためには、信頼のおける専門店やディーラーから買うほうが良いでしょう。高い買い物なので、特に。